投稿者: admin_maaraion
マーライオンの自己紹介
こんにちは!
ミュージシャンのマーライオンです。
このnote記事をご覧くださりありがとうございます。

▼プロフィール
ひなまつり生まれ横浜育ち。
シンガーソングライター。NIYANIYA RECORDS主宰。
2014年にdiskunion/DIW内レーベルMY BEST!と契約。
3ヶ月連続アルバムリリースを行いインディーズデビュー。
都内を中心にライブ演奏、音楽制作、文筆業、俳優業、ポッドキャストなど、ジャンルの垣根を越えながら活動中。2018年にはCD作品「ばらアイス」が好評を博し、曽我部恵一が主宰するROSE RECORDSから12インチレコードとして再リリースされる。
2024年にはインディーズデビュー10周年を迎えました。
シンガーソングライター・マーライオンを初めて知った方や、最近の活動について知りたい方向けにこちらの記事を書いています。
2009年3月からソロミュージシャン活動を始めて今年で15年目を迎えました(2025年1月現在)


最新作「ごきげん」
キャリア6枚目となる
フルアルバム作品「ごきげん」を
2024年5月に配信リリースしました。
まずはこちらをぜひ聴いてみてください。
▼各種音楽配信サイトはこちらのURLから飛べます。
https://ultravybe.lnk.to/gokigen

初のバンド・セルフプロデュース作品となっており、マーライオンの音楽に初めて触れる方々におすすめしたい作品になっています。
▼収録曲
1.春を待ちわびて
2.おばけトンネル
3.お元気ですか
4.海へ海へ海へ
5.花屋で待ち合わせ
6.飛んでしまいそう
7.花言葉
8.雨雲と晴れのあいだ
9.ゴッホと花束
10.スキップスキップスキップ
11.花絨毯
12.愛模様
▼クレジット
演奏メンバー
作詞作曲 Vo.Gt.Ag.マーライオン(all)
Drums./石川浩輝(all)
Key.Per./石川浩輝(M5,9,12)
Bass.厚海義朗(all)
Trumpet.荒谷響(M3,4,7,9,10,11,12)
Gt.mandolin.ヒロヒサカトー(M1,2,6,8)
Vo direction ヒロヒサカトー(M2,4,6)
Key.谷口雄(M1,2,3,10)
Steelpan.MC.sirafu (M4)
percussion.松井泉(M4)
banjo.和泉眞生(M8)
Cho./Clap.
Miss Heavenly(M4,5,7,8,12)
kmkm(OCHA∞ME)(M8)
つづみっこ(Hazy Sour Cherry/OCHA∞ME)(M8)
綱彦(Dreamcast)(M8)
新山志保(M8)
ban(OCHA∞ME)(M8)
羽生傷心(M8)
村田ラジオ(M8)
Rec飯塚晃弘(M1,2,4,6)
Rec神戸円(Endhits Studio)(M3,5,7,8,9,10,11,12)
ミックス/マスタリング 中村文俊(all)
Pre Production Rec/Mix カタヤマミチヒロ(all)
Design 城戸歩
Photo ともまつりか
Stylist 井上はこね
流通 ULTRA-VYBE
ホームページ タナカノゾミ
Music Videoはこちら
作品制作について1曲ごとにXの投稿で振り返っています。
ご興味がございましたらご覧ください。
↓↓↓
https://x.com/maaraion_info/status/1873987712346447878?s=46
マーライオンのにやにやRadio とは?

2019年5月より始まったポッドキャスト番組です。
過去出演してくださったゲストはのべ100名以上、合計474エピソード公開されています。
過去ゲスト出演者
・アカツカ(South Penguin/Guiba)
・厚海義朗(GUIRO)
・あやこ
・荒谷響
・&mkz(音楽家)
・飯塚大吾(放送作家)
・碇雪恵(ライター・編集者)
・IKKI(Free,I do / 新宿ナインスパイス)
・いけだ(TOKYO TOWN SHALALA)
・石川浩輝
・イハラカンタロウ
・イラミナ(Puff)
・ermhoi(Black Boboi / millennium parade)
・MCビル風
・オオツカ(ステレオガール)
・岡村詩野(音楽評論家)
・尾花佑季(OBANA MICROFONE)
・小野カズマ(俳優)
・OCHA∞ME(kmkm,ban,つづみっこ)
・ガクヅケ木田
・Kwaji(fish)
・片岡敬(サウンドエンジニア)
・かざまりさ(イラストレーター)
・金内健樹(盛夏火)
・金子鈴幸(作・演出・俳優)
・金田康平(THE ラブ人間)
・加納エミリ
・kauai hirotomo(山二つ)
・kiss the gambler
・Kuwahara(ボルシチ)
・小山ゆうじろう(漫画家)
・SaToA
・嵯峨山(carpool)
・ささきえり(イラストレーター・アニメーション作家)
・真田英幸(写真家)
・Gパンパンダ一平
・スカート澤部渡
・スガナミユウ
・SUGI
・すぎさきりん
・寿々木ここね(SAKA-SAMA)
・曽我部恵一(サニーデイ・サービス)
・その他の短編ズ
・たえ
・タカユキカトー
・タナカモエ(阿佐ヶ谷ロフトA)
・高原(阿佐ヶ谷TABASA)
・長州ちから
・ちあき(波のよう)
・劔樹人
・土屋慈人(MURAばんく。)
・tommy
・ともまつりか
・Dreamcastなつめ
・Dreamcast綱彦
・中川翔太(スピーチバルーン/さとうもかBand)
・中村隆(イラストレーター)
・成川勇也(象の小規模なラジオ)
・新山志保
・西風
・BUZZYROOTSあかり
・姫乃たま
・ヒロヒサカトー
・深田隆之(映画監督)
・福留茜(画家)
・フランスピアノなかがわ
・ぺ子(イラストレーター)
・ほこてん
・坂内拓(イラストレーター)
・羽生傷心(DJ)
・PAPERMOON細田
・平野(dysfreesia+mihau)
・方便凌(編集者)
・poQ
・星野花菜里
・松尾翔平(Superyou)
・松尾穂波(イラストレーター)
・松尾よういちろう
・松本素生(GOING UNDER GROUND)
・Miss Heavenly
・三浦康嗣(□□□)
・峯大貴(音楽ライター)
・ミンキッチンよしみん
・ミヤジ
・宮下和(イラストレーター)
・村田ラジオ
・muku
・森永陽実
・安田和弘(写真家)
・山田稔明(GOMES THE HITMAN)
・やなはる(象の小規模なラジオ)
・ゆうた
・Yuki Lee(Fontana Folle)
・ラッキーオールドサン篠原
NIYANIYA RECORDS とは?
マーライオンが主催する音楽レーベル”NIYANIYA RECORDS(ニヤニヤレコード)は設立5周年を迎えました。

これまでにマーライオン関連作品の他
・ウクレレ・アコギユニット Hum Hum Sandwich
・シンガポール×東京間で活動するロックバンドChiriziris 1st Album「Chiriziris」
・マセキ芸能社所属ガクヅケ木田 弾き語りALBUM「Victory」
・マーライオン×森永陽実さんとのコラボシングル「あくどい」
などリリースしてきました。
素晴らしい音楽作品をこれからもリリースしていきます。





▼ライブ活動について
現在、マーライオンのソロ弾き語り編成とバンド編成(マーライオンとお花のブーケ)の2編成でライブ活動を行なっています。


ライブ映像はこちら
マーライオン主催/運営イベントに関して
2017年頃から毎月DJ +Liveイベント「p/am」(読みパム)を開催しています。
下北沢THREEにて開催していた前身イベントを含め、p/amは7年ほど毎月開催している音楽イベントになります。
会場は小田急線・下北沢駅から徒歩5分のところにあるライブハウス”下北沢リヴハウス”にて開催しています。
チケット代1000円で楽しめるので、観光客の方々も沢山きてくれています。
年間通して300名から400名ほどの方が遊びに来てくれています。
イベントはOCHA∞ME(kmkm,ban,つづみっこ)、Dreamcast、DJ傷心、マーライオンの7名で主催されています。
▼イベント公式Instagramはこちら
遊びに行きたい方々も、マーライオンと一度直接話をしてみたい、直接会って仕事等の相談をしたいという方などご希望の方は、まずはこちらのイベントに足を運んでいただくのがいいと思います。
お気軽にご来場いただければ幸いです。
過去出演してくれているバンド・ミュージシャンはこちらです。
🔽Spotify プレイリストはこちら
他マーライオン単独主催について
「色々水に流そうよ」シリーズ、「月曜日からにやにやしようよ」などこれまでで50回以上自主企画イベントを開催しています。
過去出演してくださった方々の音楽プレイリストです。
🔽Spotify プレイリストはこちら
音楽ライブ以外にも様々なお仕事も承っておりす。
劇伴制作について
2024年12月にはテレビドラマ「迷子のわたしは、諦めることもうまくいかない」の劇伴を担当いたしました。

オリジナルサウンドトラックも配信リリースされました。
10曲入りのインストゥルメンタルのアルバムになりました。ぜひ聴いてみてね。
https://ultravybe.lnk.to/maigonowatashi

収録曲
1.30分鉄道-ゆったり95-
2.オープニング
3.会話
4.ベンチの二人
5.財布を探す
6.小野さん登場
7.全員集合
8.大人の迷子
9.味噌見学
10.30分鉄道-のんびり85-
クレジット
演奏メンバー
作曲 Gt.Ag.Ukulele,pianoマーライオン(all)
Mix.飯塚晃弘(M1,2,4,5,7,8,10) @zukka25
Mix.マーライオン(M3,6,9)
マスタリング マーライオン
流通 ULTRA-VYBE
ドラマはTVer,YouTube,Amazon Prime中京テレビChにてご覧いただけます。
ぜひご覧ください。
他これまでのお仕事のまとめです。
劇伴・ギター・コーラス・作曲参加
・テレビドラマ「迷子のわたしは、諦めることもうまくいかない」劇伴
・演劇団体”盛夏火”「スター・クルージング/パジャマ・キャンプ・アルファ」劇伴・音楽
・演劇団体”盛夏火”ドラマCD「転町生」マスタリング担当
・イラストレーター・ささきえりさん アニメーション映像音楽
・サニーデイ・サービス Album「もっといいね!」ラップ&リミックス
・Chiriziris 1st ALBUM<Chiriziris>全曲 プロデュース・ギター
・お笑い芸人ガクヅケ木田 1st SINGLE<VICTORY>全曲作曲プロデュース・アコースティックギター演奏
・演劇団体”コンプソンズ”<だいじょうぶ?マイフレンズ> 劇中歌提供&劇中歌唱
・遊佐春菜<Spring has Sprung>M10「鏡が割れて」作曲作詞参加
・スカート・メジャー2ndALBUM<トワイライト>M6「高田馬場で乗り換えて」コーラス参加
・うどん兄弟<ラストアルバムvol.1>M4「A,B,C,Dいいこちゃん」ラップ参加
他。
プロデュース・協力など
・Chiriziris 1st ALBUM<Chiriziris>全曲参加
・ガクヅケ木田 1st SINGLE<VICTORY>全曲参加
・藤田ニコル×タイムマシーン3号 / 猫 動画ミックスマスタリング協力
・サニーデイ・サービス<DOKI DOKI>Mastering Coordinator参加
俳優参加
・ ロロ<谷中妄想ツァー!?(告白)>ワークショップ・俳優&パフォーマー参加
・コンプソンズ<だいじょうぶ?マイフレンズ> 小沢健二役で参加・演劇団体”盛夏火”「スター・クルージング/パジャマ・キャンプ・アルファ」音楽&俳優参加
・演劇団体”盛夏火”ドラマCD「転町生」声優・俳優参加。
・僕とジョルジュ 2月生まれMusic Video
・川本真琴 活動20周年記念 短編映画カラス
・井乃頭蓄音団 夏子さんMusic Video
文筆業
・タワーレコード運営/音楽メディアMikikiにてブログ連載<マーライオンの明日もにやにやできるといいね> 2019年7月より開始
・ミュージックマガジン2019年5月号<Khruangbin>初来日ライブレポート
・ミュージックマガジン2020年1月号<SURL>初来日ライブレポート
・ミュージックマガジン2020年2月号<曽我部恵一特集>「たくさんの出会いと、出会いの始まりを作ってくれた」寄稿&寄稿者コーディネート
・ミュージックマガジン2020年2月号<曽我部恵一特集>「けいちゃん」「まぶしい」「トーキョーコーリング」ディスクレビュー
コンピレーション作品参加
・なりすレコード / 浅草橋天才算数塾 <カセットレボリューション vol.2>p/am <past age meeting compilation album>
音楽フェス・サーキットイベント参加
・Julha Festival 2024
・新宿区主催SHIN-ONSAI 2024
・新宿区主催新宿フィールドミュージアム
・PUFF主催HAVEN
・新宿区主催SHIN-ONSAI2022
・CINRA主催<NEWTOWN>
・ROSE RECORDS×なりすレコード主催<すみだオモシロ文化祭>
・LIVE HOUSE FEVER主催<新代田環七フェスティバル>
・radioDTM主催
メディア出演・インタビュー掲載
・ミュージックマガジン 2014年12月号
・ミュージックマガジン 2018年2月号
・CDジャーナル 2018年07月号
・TBSラジオ〈CITY CHILL CLUB〉2021年12月火曜日パーソナリティ選曲担当
・ミュージックマガジン 2022年8月号<入江陽のふたりのプレイリスト>
・マガジンハウス〈BRUTUS〉2022年10月1日号
・NACK5〈ラジオのアナ〉2024年5月16日放送
・ラジオNIKKEI〈エレマガラジオDX〉2024年5月21日放送,2024年5月28日放送
・ミュージックマガジン 2024年8月号 マーライオン渋谷WWWワンマンショー・ライブレポート掲載
WEBメディア
・Mikiki(2019年)
・CINRA(2019年)
・Spincoaster(2021年)
・ANTENNA(2022年)
・NiEW(2024年)
行政イベント参加(ライブ演奏および司会出演)
・下北沢音楽祭〈2011年〉
・藤沢市民まつり湘南台ファンタジア〈2013年〉
・シタマチパンダ祭りin御徒町〈2021年〉
・新宿区主催SHIN-ONSAI 〈2022〉
・新宿フィールドミュージアム〈2024〉
・新宿区主催SHIN-ONSAI 〈2024〉
子供向け音楽ワークショップ講師
・リトル高円寺 in 座・高円寺(講師・演奏)
・CANVAS in 竹芝(講師・演奏)
その他、イラストレーターさんや漫画が好きなのが高じて、アートディレクション、キュレーション、プロデュースした作品の展示イベントも開催しました。
ジャケット・アートワーク展「ごきげん展」について
HMV record shop shibuya 2階にある
ギャラリー”Bankrobber LABO”にて
2024年夏、初のジャケット・アートワーク展示を開催しました。


▼参加作家様
oyasmur
加賀翔(かが屋)
かざまりさ
城戸歩
クリハラタカシ
コマツシンヤ
ささきえり
タナカノゾミ
玉川桜
とつかみさこ
ともまつりか
中村隆
坂内拓
ぺ子
5ruruim(ファブル)
箕輪麻紀子
宮下和
Yoshimi



音楽制作、ライブ演奏とともにイラストレーターさんのコーディネート、アートディレクションも行っております。
ぜひお気軽にご連絡ください。
ご用命あればなんでもやります!
やってみたいこと
・ライブ活動(喫茶店、ライブハウス、バーなど、どこでもOK)
・音楽制作(映像、劇伴)
・お喋りするお仕事
・ラジオジングル制作
・教育テレビの音楽制作、おとな子供向け音楽ワークショップ講師など
・音楽制作(CMなど)
・イラストに関するお仕事(ディレクション、コーディネートなど)
お問い合わせは
niyaniyarecord@gmail.com もしくは HP Contactページまでご連絡下さい。
※4日以内に返信がない場合は、恐れ入りますが再度ご連絡ください。
(2024.01.12追記)
Official Fan Club
「マーライオンのごきげん!クラブ」を開設しました。

https://www.patreon.com/maaraion_gokigenclub
・新曲の音源
・ポッドキャスト番組「にやにやRadio」のアフタートーク
・ブログ
・マーライオンの料理レシピ
などを掲載予定です。(月4回更新予定)
#ごきげんクラブ 参加お待ちしています。
宜しくお願いします!
KUMIKO(ボウリングの思い出)
ボウリング場に初めて行ったのは、中学生のときだ。
同じ部活にいた仲のいい友達数人で、学校近くのボウリング場へ行くことになった。
この頃の話だが中学校にあがると、それぞれの家庭環境の経済状況に差があるのがわかってきた。
両親とボウリング場に来たことがある人もそれなりにいたが、僕はその中でも、あまり家族とどこかへ行く機会がなかった子供だった。
そんな理由もあって、友達からボウリング場に初めて誘ってもらった時は本当に心から嬉しかったのを覚えている。
当日、駅前で待ち合わせをして、ボウリング場へ向かった。
レンタルシューズや球の重さや種類を選ぶのも、まるで旅行にきたような気持ちになってワクワクした。
係員の案内に沿ってボウリングのレーンに行き、そこでみんなと5ゲームやることになった。
ふと周りを見渡すと、何組か集団で遊んでいるレーンがあり、ちょうど自分たちの左隣には「くみこ」と画面に書かれたまま予約表示になっているレーンがあった。
「ボウリングって予約できるのか、予約するぐらいだからボウリング好きなひとなんだろうなあ」とその時は思った。
1ゲームか2ゲームをした頃だったか、しばらくするとその予約席の「くみこ」がやってきた。
驚いたことにくみこは明らかに極道の方だったようで、首すじには上半身から漏れ出た竜の刺青がこんにちはをして、「姉さん何ゲームやるんですか?」「姉さんのボウルは僕らが用意します」と口々にした明らかに怖いお兄さんたち2人が連れ添ってやってきた。
僕たちは驚愕した。
初めて絵に描いたような人たちを目の当たりにしたからだ。
「くみこ」は目つきがきつく、ただ立ち姿は美しいお姉さんだった。
それまでの僕らは初めて友達ときたボウリング場だったので、明らかにはしゃいでいたが、ここは静かにしようと耳打ちをして落ち着いてゲームをしていた。
「ここは、残りのゲームをさっとやってからすぐ帰ろうぜ」と小声でみんなと話をした。
怖くて絶対に関わりたくなかったのだ。
そして肝心のボウリングだが、僕はめちゃくちゃ下手だった。
1ゲームが終わった頃には、明らかに自分にボウリングの才能はないと悟っていた。ビギナーズラックというのもなかった。
そんな僕でも何か工夫したらストライクが出せるんじゃないかと、ありとあらゆる投げ方を試していた。もはやゲームではなく、投げ方の実験と称した時間潰しになっていた。
とある番手の時に、僕はボウリングのボールをバウンドさせたあとガーターにしてしまった。
友達に「またガーターになっちゃったよ」なんて言いながら戻ったところで、思わぬところから声が飛んできた。
「ボウリングがあんたたちわかってない!!!」
声をした方向を見ると、まさかのクミコだった。
「ボウリングはボウルをバウンドさせたら、レーンが傷つくの!そんなことも知らないの?」
今思えば真っ当な大人で、正しいことしか言っていないが、当時の僕たちにとっては刺青を入れて怖いお兄さんたちを連れたお姉さんから言われたら震え上がった。
「すみません!これからは気をつけます。」
そんなことを言うと、くみこは言った。
「わかった。私がボウリングを教えてあげる」
頼んでいないが、教えてもらうことになった。
そこからはめちゃくちゃ怖かった。
怖いお兄さんたちが「姉さん、何を中学生に教えてんすか」「そろそろ姉さんがボウリングやればいいのに」とか言いつつ、お兄さんたちにずっと見張られながらもボウリングのルール、投げ方を教えてもらった。
よくよく話を聞いてみると、くみこは教え方が上手だった。
投げるフォームや力の入れ方を教えてもらい、少しずつだが僕はストライクが出せるようになってきた。
既に経験者だった友達は、くみこと回転の掛け方について議論をしはじめるほど盛り上がった。
「思わぬ場所で思わぬ人間とボウリングを通して話が通じることがあるのか」と僕はその光景にグッと来ていた。
1ゲームほど丁寧に教わったところでくみこは言った。
「よし!あなたたちはだいぶよくなったから、そろそろ私は自分のボウリングに集中するわ」
僕たちは口々に「ありがとうございました!」とお礼を言って、ゲームを続けた。
僕らは残り1ゲーム、くみこはあと3ゲーム丸々あった。
くみこのボウリング、みんなで見てみようぜ、とみんなで小声で話しながら見守った。
くみこが初めて自分でボウルを取り出し(マイボウルを持ってきていた)、1投目を投げた瞬間、右に大幅に回転がかかり凄い勢いでガーターになった。
2投目、またもやピンを前にして急に回転がかかり、勢いよくガーターになった。
3投目、普通にガーターになった。
1ゲーム丸々ガーターになった。
連れの怖いお兄さんたちは笑いを堪えるのに必死で、「あんたたち!笑うんじゃないよ!」と制されていた。
これは後からお兄さんたちに耳打ちで教えてもらったことだが、実はくみこはボウリングがそんなに得意ではなかったのだ。
それでもボウリングが好きだから、自分だけのマイボウルや手袋を持参しては、定期的にボウリングへ来るらしい。
教え方が丁寧だったのと、隣のレーンに口を挟むぐらいだから、てっきり上手かと思っていたので「そんなに得意じゃないのかよ!」と正直思ったけど、ボウリングを楽しんでいる姿に僕は背中を押されるようだった。
人生初のボウリングは、そんな思い出だ。
学校は卒業したけど、あのボウリング場にはまだくみこはいるのだろうか。
くみこの後ろ姿を見て好きこそものの上手なれと言う言葉を思い出した。
その1年後から僕は楽器を始めることになるのだが、よく楽器が難しくて挫折しそうになるとくみこを思い出す。好きでとりあえずやってみることが大事なんだと思う。
入学初日の話
友達になったのに。知り合いにもなれなかった話
大学入学初日の話だ。
僕は早く友達が作りたくてウズウズしていた。
そんなふうに思いながらガイダンスなどに出席したからだろうか、ひょんなことから隣に座っていたMくんと話が盛り上がった。
今思えば訳がわからないのだが、入学初日に席が隣になったひとと話が盛り上がり、帰り際Mくんから今から僕の家で遊ばないか?と誘われたのだった。
これが世間で言われる〈入学式ハイ〉というやつだ。
そして僕もMくんと同じく、〈入学式ハイ〉というテンションになっていたので行くことにした。
話を聞くとMくんは長崎から神奈川に上京して初めての一人暮らしを始めたそうで、早く友達を招くと言うイベントをやりたかったらしい。
「僕がそのイベントの初めてでいいの?」と聞くと、彼は「もちろんじゃないか」と言ってくれた。僕は少し怖かったが、同時にこんなにすぐ心を開いてくれて有難いなとも思った。
さすがに今日会ったばかりの人の家にお邪魔するのは勇気が必要だったが、音楽活動を始めて何年か経っていて、それなりの数のお家に行く機会もあったし、なんとなくだが流れに身を任せてお家に行くことにした。
Mくんの家は木造のアパートで、優しそうな口ぶりから分かるようなすごく綺麗に整理整頓された部屋だった。
真新しいソファに座りながら、「大学に入ったら彼女ほしいなあ」と言っていた彼の顔からは、春の匂いがしてきて僕はMくんを友達として好きになり始めていた。
しばらくお互いの身の上話や、高校時代の話をしたあと、「ゲームはするかい?」と聞かれた。
僕は正直ゲームはあまりやらないので、Mくんには正直にそのことを伝えたところ、「スマブラだったらできる?やろうよ!」と言われた。
僕は嬉しかった!なぜならスマブラは僕が唯一できる好きなゲームだったからだ。
そこからは白熱した戦いになった。
何試合もやって、お互い楽しく笑いながら盛り上がった。
18:00ぐらいになると、すっかり暗くなってきた。
僕は入学初日で遅くまでいるのも悪いからと、連絡先を交換してその日は早めに帰った。
「また学校でね!」と言い合って。
その後、Mくんとは数日会わなかった。
Mくんとはガイダンスで知り合ったはいいものの、学科が違ったので授業も一緒にならないまま会う機会がなかったのだ。
そして1週間ほど経った校舎の廊下で、僕はM君を見つけた。
「あっ!Mくんじゃん!おーい!」と声をかけながら僕は近づいた。
「こないだのスマブラ楽しかったねー!ほんとありがとう!」と言うと、キョトンとした顔。
Mくんの周りには、Mくんの友達がら複数人いて「急にすみません!Mくんとは入学のガイダンスで知り合って、お家まで行ってスマブラして仲良くなったんですよ」と説明したところ、周りの友人たちがほっとしたような顔をして、応対をしてくれた。
僕がMくんの周りの友人にも自己紹介をし始めたところで、会話は遮られた。
Mくんは言った。
「ぼく、この人知らない」
驚愕の一言だった。
大富豪の革命か、と思うような状況の変わり方だった。
Mくんの周りにいた友人たちは「えっ、どういうこと?」みたいになり、さぁーっと場が凍りつき僕は完全に不審者扱いになった。
「またまたー、そんなこと言って」
「ぼく、この人知らないよ」
「連絡先も交換したじゃん」
「このメールアドレスは僕だけど、僕じゃないよ」
「えっ!」
「えっ!!」
Mくんの周りの友人も察して
「そういうことだから!」
と僕をその場から立ち去るように伝えてきた。
僕は納得がいかなかった。
「あんなに楽しくスマブラをしたのになぁ」
まるで子供の頃に行ったデパートのゲームコーナーで知り合った、二度と会えないちょっと気のいい高学年の兄ちゃんのように、楽しい幻だったんじゃないかと思った。
今でもスマブラをしていると、Mくんのことを思い出す。
あの楽しそうに笑った声は、僕の記憶には残っている。
Mくんにとってはもしかしたら初めての友達を招くイベントにしては気に入らなかった過ごし方だったのかもしれないが、僕はあのときのスマブラ楽しかったなと今も思う。ほんとに。